2019年月9日    「話題のスーパーフード、もち麦の魅力」      

 
                  大麦料理研究家  林 恵子 さん                  

 

「貧乏人は麦を食え」講座はいきなり池田隼人氏のかの有名な一言から始まり驚かされた。これは戦後まもない空腹を満たすことが第一の昭和30年代当時米価高騰の折のこと。まだ麦の栄養効果など考えもしない頃のことである。当然池田氏は問題発言で非難を浴びたが、それから時は流れ日本は豊かになり、飢えより健康を気にする時代になった。令和の日本では、心優しい講師がこの発言を「貧乏人は元気になるから麦を食え」と解釈できると述べられた。どこかの答弁のようだと思いながらも今回の講座で、いかにもち麦が現代日本人にとって体に良い働きをたくさんしてくれる魅力的な食材であるかを様々な裏付けから教えていただき、さらに美味しく簡単に摂取できる食材であるかを何種類もの試食とともに証明してくださった。

 人生において健康が何より大切であると皆思う。そこで健康には○○が良い~という情報は次から次へと出回り、しかし流行ってはいつのまにか消えるという繰り返しである。一方、日本人の寿命は延び、それに伴う医療費は40兆円を超え財政を圧迫。糖尿病患者も1000万人を超すという。健康に良いもち麦をブームで終わらせることなく大きな流れにしたい、一人でも多くの人にもち麦を食べてもらいたい~と講座が始まった。

 ではなぜ、もち麦なのか?

雑穀の中のひとつ、大麦(麦ごはんなど粒のまま食べる麦とビールなどお酒の原料になる麦がある)は現代日本人に不足しているといわれる食物繊維を大変多く含む(大麦の中でももち麦は白米の25倍)。しかも、生活習慣病予防に効果的な水溶性食物繊維と排便を促す不溶性食物繊維の2種類をバランスよく含む。さらにもち麦はもち米のごとくもちっとしてプチプチと食感もよく冷めてもおいしく、経済的にも高くない、どこのスーパーでも売っている。健康志向の日本人には入手するのにハードルが低い。

 「食物繊維を120gとる」ことが健康に理想的らしいが、これは現代では非常に困難である。冒頭の問題発言のころは124g摂れていたそうだが、それから一途に右下がり、現代ではその頃の半分近くの摂取量しかなく理想には程遠い。野菜も摂取不足といわれるが意外にも野菜から摂っている食物繊維の量は以前とほとんど変わらなかった。やはり問題は米を食べなくなったとはいえ、主食にあるようだ。

 朝たくさん食物繊維を摂ると計算が早くなる、認知症の予防になるという話も紹介された。もち麦で健康的に14キロやせられたと話題のHAL YAMASHITAシェフの本「もち麦ダイエットレシピ」もとても売れているそうである。

 ひとつ残念な話もあった。メタボの目の敵にされるジャンクフード。日本人より欧米人のほうが常食にしている人が多いはず。お腹回りの脂肪も欧米人のほうがかなり多そうであるが、同じジャンクフードを食べた場合、日本人のほうがより内臓脂肪としてつきすいそうである。この点はどうにもできない人種的DNA.。やはりもち麦の恩恵にあずからねば。


     

 では、どうやってもち麦を日常の食生活に取り入れるか?

簡単な方法を3つ教わった。

1.ご飯に炊きいれる(2合の米をとぎいつもの水加減にして50gのもち麦と100㏄の水を足して普通に炊く)好みでもっと配分を多くしても良い

2.茹でて(もち麦の6倍以上の沸騰した湯で1520分ぐらい茹でる)サラダのトッピング、スープの具として添える 

3.茹でたもち麦をハンバーグやミートソースを作るときに入れる

 

 早速お土産にいただいたもち麦を入れてその晩はご飯を炊いていただいた。主人もいつもと変わりなくおいしかったとの感想。これなら難なく続けられそうである。

 最後にどれも大変おいしかった試食をご紹介します。

  ・ビーツの冷たいスープ    ・五穀のサラダ      ・もち麦粉入りフォカッチャ

  ・大麦コーヒー        ・もち麦粉入りシフォンケーキ        

          

 

講師の熱意が十分に伝わりました。私も是非もち麦を常食としてとり入れます。どうもありがとうございました。


山崎美和子 (会員)