2019年2月21日    「寒風が育む伝統食」      

                      長野県立大学健康発達学部 教授
                            中澤弥子さん

 

「長野県の紹介」「食文化の特徴」「寒風が育てた信州の伝統食の事例紹介」「信州の伝統食のこれから」など興味深いお話しでした。

まず講師が現在活動されている長野県の紹介から。

長野県は「健康寿命日本一」「減塩運動」などでにわかにクローズされました。

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活のできる期間」をいいますが2016年長野県では男女とも一位でとりあげられましたがもうすでに2010年、2013年と全国一位だったそうです。

長野県の呼称には「長野」「信州」「信州信濃」などありますが、「長野」は県名に、また自然や人の営みというイメージでは「信州」を、海外戦略には「NAGANO」「ナガノ」をもちいるとの事でした。複数の呼称を持ち、認識される県は珍しいのではないでしょうか。

現在「健康長寿世界一」を目指して県をあげて取り組んでいるものに「信州エースプロジェクト」というものがあり、

AAction(体を動かす)毎日続ける速歩と体操

C:Check(検診を受ける)家族そろって必ず受診

E:Eat(健康に食べる)減らそう塩分、増やそう野菜。

と、私達もすぐに実行できる内容でした。


 



次にテーマに関わる伝統食について。

寒風というより、むしろ長野ではぐっと冷え込む「凍み」がキーワードのようです。

長野県は南北に広がり地域性が豊かです。多彩な味と香りを持つ伝統食材も豊富で、県も信州伝統野菜認定制度を設け、これらの貴重な品種の保護に努めています。

それらの食材を使い、長野ならではの気候風土「凍み」を活かした伝統食も数多くあり、その事例として

     野沢菜漬けとすんき(塩を一切使用せず乳酸発酵させた漬物)

     乾燥野菜(夏の干し野菜。茄子。かぼちゃなど。)

     寒天とエゴ(イゴ)

     凍り餅、寒ざらし粉

     凍み豆腐、凍り豆腐

     凍り蕎麦

     さざむし漁

などスライドを交えて紹介されました。

 

201811月には「発酵長寿県宣言」もされ、長野県の取り組みとして201411月に「銀座NAGANO」のアンテナショップもオープンし色々情報発信しているとのことでした。

県あげての色々な取り組みが健康長寿日本一を作り上げているということを実感しました


出典:JA長野中央会ながの食農教育情報プラザホームページ

玉木茂子(会員)